御朱印をもらう際の注意点
御朱印は神社・寺院でもえるのですが、いくつかの注意点があります。
神社・仏閣によっては、注意すべき点を抑えていないために御朱印をいただけないこともあります。
1つ目は宗教の分離です。
日本では「
神仏習合 」により、神道と仏教の一体化の長い歴史があります。
しかし明治時代の「
神仏分離令 」により神祇信仰と仏教の分離がされました。
結果として別々の宗教ながら、日本人の基本的な宗教観・習慣においては2つの宗教が緩やかに融合しています。
朱印帳においても、2つの宗教の御朱印を分けず1冊にまとめる方がいます。
しかし、神社・寺院によっては、異なる宗教の御朱印のある朱印帳に対して、御朱印をいただけない場合があります。
できるかぎり、神道と仏教では朱印帳は分けた方が無難です。
2つ目は朱印帳を持っていく事です。
もともと朱印帳は寺院に写経を納めた際の、納経の受け取り印です。
現在では寺院だけではなく、神社ででももらえ、また納経の必要もありません。
御朱印帳が無くても、半紙に書いていただける事はあります。
それでも元々の納経の考えから、朱印帳が無い場合は御朱印をいただけない場合があります。
御朱印を求める場合は、朱印帳を持ち歩く方が良いと思われます。
3つ目は日蓮宗の分離です。
日蓮宗は鎌倉時代中期に日蓮によって興された仏教の宗派の1つです。
当時、日本に存在していた宗派の教えでは人々は救われないという考えによって起こされた宗派の為、「
四箇格言 」という他宗派を否定する考えが存在します。
現在の日本においては、直接的で大々的な他宗派否定をおこなってはいませんが、やはり他宗派とは異なるというスタンスを取られる寺院が見受けられます。
御朱印においても、日蓮宗だけが記載されている場合は「
南無妙法蓮華経 」と記載されますが、他宗派と混ざる場合は「
妙法 」と記載をされたり、御朱印そのものを断られる事があります。
御朱印帳から日蓮宗だけ分離するのは、必須と考えた方が良いです。
4つ目は浄土宗・浄土真宗での朱印の扱いです。
浄土宗は法然、浄土真宗は親鸞によって、それぞれ平安末期に興された仏教の宗派の1つです。
浄土宗・浄土真宗は簡単に言ってしまえば、念仏を唱えひたすらに仏へ祈りを行うことで救われるという考えがベースにあります。
「厳しい修行等をおこなわなければ救われない」という事に対してのアンチテーゼとして生まれた考えです。
そのため「法然上人二十五霊場(圓光大師二十五霊場)」等に含まれない、観光地でない一般の浄土宗・浄土真宗寺院の場合、御朱印をいただけないことが多いです。
全くいただけない訳ではないので、各寺院に御朱印をいただけるか確認をしてください。